この事例の依頼主
60代 男性
相談前の状況
親族間で1棟のマンションを共有しているが,家賃や費用の分配について取り決めがなく,共有者の一人が自分の良いように収入・費用を割りつけていた。相談者が割りを食っている金額を累積すると一千万円を超える状態だった。近々大規模修繕も見込まれるが,修繕積立金もなく,このままでは修繕もままならない。
解決への流れ
共有物分割請求訴訟を提起し,裁判所の関与のもとで和解によって共有関係を解消した。マンションを部屋ごとに区分建物として,各部屋の収益性に応じてその時価を概算した上で,持分に沿って一部屋一部屋を単独所有として割り当てた。この際,過去の未分配収益金の清算という形で,依頼者様は元の持分よりも多くの部屋を取得した。ただし部屋の割り当てだけだと各人が取得する価値に端数が生じるため,その部分は金銭支払いによって調整した。今後は,各部屋(区分建物)の収益・支出は各所有者が負担し,共有部分(階段・廊下など)については共同で管理・費用負担をすることとなった。
1棟の建物を区分建物にした上で各部屋の持分を交換的に処理する現物分割を行ない,しかも過去の賃料分配の清算まで行なったもので,共有物分割の手法としてはかなり複雑な部類でした。権利関係を分かりやすく表で視覚化し,当職から積極的な提案を行うことで,和解協議を主導し解決することができました。