この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
自分の所有する土地の上に昭和10年代に建てられた家屋があるが、家屋には10年以上誰も住んでおらず持ち主の行方もわからない、土地を売って欲しいという話も来ているのだがどうしたら良いだろうか、ということで相談を受けました。家屋が建てられたのは相談者のお父様がご存命だった頃で、契約書等も作られていないようだし、賃料も取り決めていないようだ、とのことでした。
解決への流れ
建物の所有名義人を調査したところ既に亡くなっており、相続人として息子と娘がいると判明しましたが、建物所有名義人には他に資産はなく、建物も老朽化し建物自体の資産価値もないことから2人ともすでに相続放棄をしていました。また、2人の相続人ともに建物取り壊し等の費用を負担するだけの余裕はないとのことでした。そこで建物取り壊し費用等は相談者が負担することを前提に、家庭裁判所に相続財産管理人選任を申立て、地方裁判所に相続財産管理人を被告とする建物収去訴訟を提起して収去判決を獲得し、その判決を踏まえて家庭裁判所から建物取り壊しの許可をもらって取り壊しを行うことになりました。
現在、空き家に関する問題が多くなっていますが、その典型例の一つといった事案でした。本来、相続放棄をしたので後は知りません、ということにはならないのですが、取り壊し費用等の負担が現実にできないこと、家屋をそのまま放置しておくのは危険ですし、土地の有効活用にも支障が出ることから、今回は土地所有者である相談者の負担で相続財産管理人選任を申し立てるということになりました。選任後は、訴訟提起など手続は様々ありましたが、比較的スムーズに取り壊しの許可決定をもらうことができ、無事建物を収去し土地を売却することができました。