この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
相談者の親族は、相談者に全ての財産を相続させる旨の遺言を残して亡くなられました。他の相続人は、相談者に対して遺留分侵害額請求を行ったところ、「遺留分」をどのように評価すべきか、いくらぐらい支払えばよいのかが分からず、当事務所にご相談されました。
解決への流れ
当方で相続財産を算定し、遺留分侵害額相当額を算出しました。相続財産の価値の大部分を不動産が占めていたこと、その不動産はすぐには売却できないことなどを踏まえ、その事情を説明し、他の親族と交渉を行いました。結果、相談者が希望する遺留分侵害額相当額を支払う、という形でごういができました。
遺留分侵害額請求を受けた場合には、具体的にはいくら支払えばよいのか分からない、と悩まれる方も多くいらっしゃいます。このような場合、相続財産の価値を正確に算出することも大切ですが、それ以外の具体的な事情（例えば、相続財産がすぐには現金化できないなど）というような事情がある場合には、それを相手方の説明した上で、いくつか支払い方法を提示することも考えられます。今回は相談者と協議の上で、事情を全て相手方に話して提案をしたところ、相手方も納得をしていただけたので、相談者が希望する金額で合意をすることができました。このように一見対立する当事者であっても、誠実に事情を説明することで早期の解決を図ることも可能です。